Dialogues

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経営者 × エンジニア対談

新しい印刷を
つくろう。
僕らがIoTで変えたい
世界と会社の話。

東京オフィスのラウンジにて
進行&書き手:加藤信吾

東京オフィスのラウンジにて
進行&書き手:加藤信吾

こんな風に向かい合って話をするのはなんだか緊張しますね。

普段、立ち話だったり、ビール片手だったりするもんね。

それでは、まず、フライデーナイトの新規事業であるCodenberg(コーデンベルク)の話からはじめようかと。そもそも、どうしてこの事業を始めることになったのでしょうか?

発端は、資本提携をしている佐賀の印刷会社であるサガシキさんからの相談でした。印刷事業を改善していきたい、という話で、営業力や提案力が課題としてあがっていたんです。

佐賀の工場を訪れ、国内で初めて導入されたという最新鋭のデジタル印刷機を見たんです。初感は、高い機械だなというぐらいのもの。しかも稼働率が低く、正直、宝のもちぐされに見えました。

でも、詳しく話を聞けば、その性能の高さ、ITとの相性の良さに大きなポテンシャルを感じて。この印刷機を誰でも自由自在に動かせる仕組みがあればとてつもない事業になるのかもしれない、と。……気づいたら、新しい世界に飛び込んでいましたね(笑)。

※ 佐賀県の印刷会社。パッケージ印刷では国内有数の実績を誇る。2015年にフライデーナイトと資本業務提携を交わした。

木村さんはこの事業の話を聞いて、どこに惹かれたんですか?

僕自身、これまで実装者としてさんざんWebサイトやアプリを作ってきました。あの世界は、基本的にデジタルの中で完結する世界です。でも、一人の技術者としてはそこで収まりたくない、もっと広い経験を身に付けたい、という思いがありました。

この新事業の話を聞いて、一番面白いと思ったのはITと生産設備という、僕にとってはまったく新しいスキルを身につけられること。

実際にサガシキの印刷機を見にいったのですが、初めてみる商業印刷機はもちろん、印刷から組み立て、発送までの製造ラインは想像以上に大きく、複雑なものでした。

印刷機単体でも数千万から数億円単位。しかも専属の技術者がいないと品質が出せない代物です。 この巨大な生産設備を相手に自社サービスを開発できるという機会はふつうのベンチャーではまずないですからね。

取締役CTO 木村俊範

名古屋工業大学の建築学専攻を卒業後、名古屋で小さな会社を設立し、インターンシップ斡旋サービスのサイト開発などに従事。
その後上京し、ビジネス・アーキテクツに入社。数々の大規模案件でテクノロジストとして活躍の後、 2015年フライデーナイトにジョイン。取締役CTOとして日々新事業の設計・開発・実装を先導する。名古屋・東京通勤歴 5年。

代表取締役CEO 長沼耕平

美術科高校を卒業後フランスに渡り、11年間の滞在期間中に広告、テレビ番組からデジタルまで幅広い分野で活躍。2002年に帰国してウェブ業界へ。
2009年、フライデーナイトの前身となるハンドメイドデザインを起業。デジタルクリエイティブ(ウェブ、ブランディング、EC、アプリ、映像)やサービスデザインなど、国内外の企業をクリエイティブ側から支援し続け現在に至る。

機械とITを結びつけるという意味で、これはIoTの技術に分類されるのでしょうか?

そうだと思います。
……ただ、巷で見かけるIoTはちいさなプロダクトで終わっているケースがすごく多いんです。イベントや広告キャンペーンで遊ぶ範囲のもの。

Codenbergは印刷機という商業用の生産設備を動かして、商業印刷を手助けするわけです。だからビジネスとしての広がりがある。僕はそういう可能性を秘めたものに携わりたかったんです。

Codenbergは、私たちの生活にどんな影響を与えるんでしょうか?

世界が変わるよ。……はちょっと大げさかな。
でも、印刷の世界には小さくない衝撃を与えられると思う。

それはどのような変化が起こるのでしょうか。

これまで、印刷物の基本は同じ種類のものを大量に印刷して、大量に配る、ということが前提にあった。それが一番コストもかからないし情報が少ない頃はそれで十分だったと思う。

でも、徐々に消費者の多様化が進み、ひとりずつに最適化された情報がほしい、届けたい、という声が聞こえるようになってきた。僕らが取り組んでいるプラットフォームは、その流れを加速させるものです。

僕自身は、Codenbergのもっとずっと先まで考えています。
まずは今の足もとを固めることが先決です。

ペーパーレスがこれだけ叫ばれて、スマホやタブレットで情報を受け取ることが当たり前になってきています。印刷物はこれからどんどん萎んでいくんじゃないですか?

従来の印刷物は、確かに減り続けています。10年前では8兆円近くあった国内の印刷市場は今では約5,5兆円程度。しかしパッケージなどの梱包材の印刷は増え続けているし、海外ではアジア市場は今後伸びていくことが予想されています。

僕らのサービスはパッケージなどの梱包材の印刷にも利用できるし、サガシキはパッケージ製造のノウハウを十分にもっている。海外との連携も遠くない将来の視野にいれています。

……ただ、パッケージだけじゃなく、紙は残り続けるはず。電力を使わず、ひとつひとつは安価。リサイクルが容易で、デジタルにはない手触りや重さという魅力もある。

時代のニーズを捉えた、パーソナライズされた印刷物はこれから確実に増えていくと思う。

ビジネスチャンスがあるということですね?

事業が成立するかは当然大事です。
でもそれだけでなく、このサービスが当たり前に使われている世の中を想像すると、すごくワクワクするんですよ。

ありがとうございます。
フライデーナイトの今後についても教えてください。

印刷にまつわる事業が拡大したとしても、僕らの原点となる軸はぶれないようにするつもりです。それは、世の中、あるいはクライアントが持つ課題を解決する会社であること。

このスタンスを変えることなく、会社を大きくしていけたらと思っています。

新規事業がうまくスケールアップしたら、そのノウハウをもとにコンサル領域も拡大するかもしれませんね。

その可能性は十分にあるね。IoTないしはIndustrie 4.0における強力なコンサルティングファームになっていても不思議じゃない。

楽しみだなあ。

二人の話は尽きませんが、続きはぜひ直接聞いてください。

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